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学生生活の中で最も吃音で苦労した高校時代
学生生活の中で最も吃音で苦労した時期が高校時代だと思います。 高校生のころから吃ることは恥ずかしいという確立した概念が生まれたからです。
思ったことを話すという当たり前のことができないと思われてしまわないか、冷たい目で見られないか、変な人と思われないか考えるうちに吃ることは恥ずかしいことだと思うようになりました。
毎日吃らない言葉だけを選んで友達と会話したりして偽りの自分を見せて友達と接してました。当時は自分を守ることに必死で話す内容や伝える内容よりもいかに吃らないかを重要視していました。
SNSを駆使して凌いだ自己紹介
高校では他地域の子が1つの学校に集まり友達が増えます。友達が増えることはとても嬉しいことでした。
しかし、自己紹介は不安なことが多かったです。初めての友達を作る時は地元はどこか、中学校はどこか、名前、中学時代の部活のことなどお互いを知るところから始まります。その時に吃ってしまったらどうしようと言う不安に駆られました。
入学の前に、SNSアプリのLINEに 「○○高校○○期生」というグループがあるのを知りました。そこには僕が通う予定の学校の名前が書いてあり、同じく4月に入学する予定の子たちが150名ほど参加していました。メッセージを介して容易に友達を作れるのならと思い参加しました。
ある程度のことをLINEで伝えて、自分のことを知ってもらった上で入学式を迎えることは嬉しいことでした。一方で、それに頼る自分が惨めで情けない気持ちになりました。 しかし、無事LINE上で友達ができたので結果オーライでした。
入学すると、LINEで知り合った友達や入学して知り合う友達に実施に声を出して自己紹介する必要がありました。 自己紹介で言ったことは、今後3年間周りに認識されます。
言いにくいからと言って、名前や地元や中学校の名前を言いやすい言葉に言い換えると、間違った情報のまま話が進みます。
一番まずいのは、後から真実を知られることです。なので吃らないように気をつけながら、自分のタイミングで伝えられるように努力しました。 吃音を持つ人は吃音を持たない人より自己紹介で苦労します。私自身も自己紹介は最も苦労した出来事でした。
今まで隠してきた吃音がバレかけた
中学生の時と同じように、吃音があることを友達に言っていませんでした。しかし、今まで隠してきた吃音がバレかけた出来事がありました。
私の学校の英語の先生は、クラスの出席番号の最初から最後まで順番に当てていく方式をとっていて、 まるで答えるまで逃さないチーターのような癖のある人でした。
その出来事はその先生が担当する英語の授業で起こりました。発音の授業で「Fact」「Dust」「mist」「Cost」「water」 これらの英語の母音に注目して組分けしなさい。という問題がありました。
いよいよ自分の番に順番が回ってきたときは心臓が音が聞こえるくらい焦りました。吃らないことばかり考えていて緊張していましたが、周りに挙動不審だと思われないように平静を装いました。
いざ、自分の番です。簡単な問題で答えはすぐ分かりました。しかし、吃るかもしれないという予期不安があったので考えるフリをしました。
吃音がない人は答えが分かっていたら、そのまま答えて終わりで考えるフリはしないと思います。しかし、吃音者は答えるだけでも工夫や苦労をしています。
結局、言いにくい単語を消去法で消してグルーピングして難を逃れました。 こんなことでも吃音者にとっては大きな出来事であり、大きなストレスがあるということを知ってほしいです。
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