日本吃音協会ではこんな支援も!
・障害者手帳の取得支援
・就職・転職支援
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この記事では、吃音のある人が障害者手帳を取得した場合のメリットやデメリットについて紹介します。また、就職において吃音がどのような影響を与えるかも説明します。
現在、吃音があると就職活動において不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。仕事の業務がスムーズに行えるかどうか、不安に感じることもあるでしょう。
そこで、障害者手帳を取得した場合の影響についても考えてみましょう。障害者手帳を取得することで、どのようなメリットやデメリットがあるのか、説明します。参考にしてみてください。
障害者手帳を取得するメリット
障害者手帳を取得するメリットは様々なところにあります。
今回紹介するのは、主に、4つの面で障害者手帳を取得するメリットを紹介します。
1,税制のメリット
吃音の障害者手帳を取得した場合、税金の控除があります。
障害者の税金控除には、障害者控除と特別障害者控除があり、その控除額は等級によって異なります。
しかし、吃音の場合、特別障害者の等級で認定される人は少なく、多くの人は障害者控除の対象となるでしょう。
また、手帳の等級によって、控除される税金の金額が変わります。この文書では、吃音の障害者手帳を取得した人に適用される税制上のメリットを紹介します。
■ 所得税・住民税の控除
所得税が27万円、住民税が26万円で、合わせて53万円の控除が受けられます。所得税や住民税の控除の他に、様々な税制上のメリットがあります。
■ 利子等の非課税
- 元本が350万円までの預貯金
- 額面が350万円までの公債
の利子に課税されません。障害の等級による違いはありません。
■ 相続税の障害者控除
法定相続人である障害者の相続税額から、以下により算出された額を控除します。
(85歳に達するまでの年数)×10万円
■ 贈与税の非課税
手帳所得者の生活費、医療費として、その運用益を提供する信託契約の形で個人から贈与された信託金額などが、3000万円までまで非課税となります。
このように様々な税制上のメリットがあります。
障害者手帳を取得すると、同じ給料であっても、控除される金額が多かったりするので、障害者手帳を持っていない人よりも、その自由に使える金額が増えるので、それだけ得であると判断できます。
2,福祉サービスでのメリット
また、一部公共サービスの割引や各社の割引サービスについても紹介します。
まず、水道光熱費や電気代などの光熱費、タクシーや電車などの交通費、医療費、携帯電話などの通信費が挙げられます。これらの費用は多くの人が支払っているものであり、割引を受けることで、節約することができます。
なお、NHKも割引対象となっています。
さらに、動物園や遊園地などのテーマパークも、会社ごとに割引料金を設けていることが多く、お出かけの際にも、格安で利用することができます。楽しい思い出を作るためにも、ぜひ割引を活用してみてください。
福祉サービスについては、市町村によって大きな違いがあるため、正確な情報を知るためには、あなたのお住まいの市町村のホームページを確認するか、実際に問い合わせて聞いてみることが必要です。
3,就職でのメリット
障害者手帳があると就職に関してもメリットがあります。
障害者雇用とは、障害のある人が障害者手帳を持っていることを申告し、特別な採用枠で企業や自治体に雇用されることです。
障害者雇用の促進に関する法律に基づいて実施され、障害のある人の職業の安定や社会的自立を図ることが目的です。障害者雇用では、障害特性に応じた合理的配慮を受けたり、障害者控除を受けたりすることができます。
障がい者雇用は、法律により企業の義務とされています。企業側の義務は以下の通りです。
一定数以上の従業員を雇用する企業は、国が定める障がい者雇用率を超えて障がい者を雇用する義務があります。 障がい者雇用率は、2021年3月から2.3%に引き上げられ、義務の対象が広がりました。 雇用義務を満たさない場合、納付金を徴収されることがあります。
障害者雇用はまだ全ての企業に浸透しているわけではありませんが、これからの社会では多様性が重視されるため、障害者雇用は採用の可能性も高くなっていくと考えられています。
4,精神的なメリット
他にも障害者手帳を取得することによって、精神的なメリットを感じることがあります。
それは、えっと、やはりこうですね。吃音が出てしまうことによって、ほかの人は当たり前にできることでも、なかなかスムーズにできないことがたくさんあります。ほかの人はどうして簡単にできることなのに、自分はこんな簡単なこともできないのだと、自己嫌悪に陥ってしまう場合もあります。
しかし、障害者手帳を取得することによって、自分自身で多様性を形にして、自分の得意なこと、得意ではないことをしっかり判断することができます。判断することで、精神的な安定につながることも考えられます。
障害者手帳を取得するデメリット
障害者手帳を取得した場合のデメリットとしては、制度や制度面でのデメリットはほとんどありません。
強いて言うなら、障がい者手帳を取得して障害者雇用を枠で採用された場合、通常の一般採用の人と比べてお給料が低く設定されている場合が多いです。
そのため、本当は能力が高かったとしても、障害者雇用枠ということで、それよりも給料が少なくなってしまうような可能性もあるので、注意が必要です。
しかしながら、障害者手帳を取得していたとしても、就職する際には障害者雇用枠でも一般雇用枠でも選択できる自由があります。障害者手帳を取得しているが、障害者雇用枠ではなく、一般雇用枠で採用をしてもらう方法を取ることもできます。柔軟に考える必要があります。
障害者手帳を取得する自己評価
障害者手帳を取得する際に最も注意が必要なのは、障害者手帳を取得することによって自分自身に対してどのような評価をするかということです。
障害者手帳を取得するということは、障害があることを実際に形として証明することになってしまいます。
例えば、吃音などの場合、場所によっては障害と考える人もいれば、障害ではないと考える人もいます。
自分の結論は障害ではないと考えていた場合、障害者手帳を取得してしまうと、それまでの自己評価が下がり、自己肯定感が下がる危険性があります。
他にも、障害者手帳を取得することによって、ご家族が反対するようなケースもあります。
それは障害者手帳を取得することが、ポジティブに考えることができない場合、障害者というレッテルを貼ってしまうという風に考える人もいます。
それと同時に社会的な立場は社会的な立場として障害者手帳を持っているということで、偏見や価値観の合わない人からの視線を感じる可能性もあります。
障害者手帳取得による就職への影響
障害者手帳を取得する最初のきっかけとして、仕事や就職といったことがあります。仕事ではさまざまな人と関わったり、初対面の人ともコミュニケーションをとる必要があるため、自分の気持ちを知らない人とのコミュニケーションはスムーズに行かないことがあります。それによってストレスや精神的な負担が大きくなってしまうこともあります。
そこで、自分に結論があってもできるような仕事や、その会社として、障害者手帳を取得することによって、そのハンデを知ってもらった状態で採用をしてもらった方が、仕事が進めやすかったり、社内での人間関係がスムーズにできるのではないかと考えられます。
この記事でも紹介したように、障害者手帳を取得することにはたくさんのメリットがあります。反対にデメリットはほとんどありません。
そのため、障害者手帳を取得するときのポイントと、その障害者手帳を持っていることへの自分の考え方が非常に大事になります。
障害者手帳を持つことは、ネガティブな内容ではなく、ポジティブに考えることができます。すぐにでも取得して問題はありません。しかしながら、障害者手帳を取得することに消極的な考えを持っている人が障害者手帳を取得した場合、さらに消極的になってしまう可能性もあるので、その場合は注意が必要です。
日本吃音協会の障害者取得の活動
障害者手帳の取得にはさまざまな考え方があります。障害者手帳を取得したいと考える人もいれば、反対に障害者手帳を取得せずに社会で活動していくという人もいます。どちらも正解だと思います。
そして実際の問題として、もし吃音で障害者手帳を取得するとなると、日本には吃音の専門医があまり多くなく、簡単に障害者手帳を取得できるわけではありません。
そのため、現在、日本吃音協会では吃音に知見のある専門医の方々とも協力しながら、障害者手帳の取得を希望している方がスムーズに手帳を取得できるような活動をしています。
最新情報なども配信していますので、ぜひホームページ等もご覧ください。
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