日本吃音協会ではこんな支援も!
・障害者手帳の取得支援
・就職・転職支援
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≫ https://linesupport.ecai.jp/optin/1?ecaiad=HyzgPcEF
この記事では、吃音患者が障害者手帳を取得するための要件やメリットについて解説しています。
障がいの程度に応じて、身体障害者手帳や精神障害者保険福祉手帳が交付されることがあり、福祉サービスの利用や医療費の助成、就労や教育における支援が受けられるようになります。
医師の診断書をもって市区町村の障がい者福祉課などに申請することで取得が可能です。取得することで、税金の軽減や各種割引なども受けられます。
吃音患者の障害者手帳の取得
日本においては、吃音(きつおん)は発達障害とされ、厚生労働省によって障害の程度に応じて身体障害者手帳や精神障害者保険福祉手帳が交付される対象となっています。
ただし、吃音が必ずしも全ての場合に身体障害者手帳を取得できるわけではありません。
吃音の程度や生活上の支障度合い、治療や支援の必要性などが総合的に判断され、必要な場合には身体障害者手帳が交付されることがあります。
1,身体障害者手帳
身体障害者手帳は、身体的な障害がある人に対して交付される手帳です。吃音が障害の程度に応じて身体障害者手帳の交付対象となる場合があります。
身体障害者手帳を取得する場合は、耳鼻咽喉科で診断書を作成してもらう必要があります。しかし、実際の問題としては、吃音が身体障害の場合、障害者手帳を取得することはなかなか難しいとされています。全ての人が取得できないということではなく、吃音による障害者手帳の取得は一般的には精神障害者福祉保健手帳を取得することが一般的です。
2.精神障害者保険福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するもので、精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には、様々な支援策が講じられています。精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患のある方が申請することができ、取得することで生活や仕事をする上でさまざまなサービスを受けることができます。
実際の症状や日常生活の様子によって大きく影響されるので、障がい者手帳を取得を検討している場合には専門家への相談が必要となります。
精神障害者保健福祉手帳の取得の場合は、精神科などに受診することが必要です。
このように取得する障害者手帳の種類によって、病院の何科を受診するかが変わってきます。そのため、障害者手帳を取得する際には、あらかじめ情報収集が必要となります。
吃音患者が障害者手帳の取得要件
吃音患者が障がい者手帳を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。
より詳しい取得要件に関しては必ず専門家に相談するようにしてください。
1,吃音で社会生活上支障を受けていること
障がい者手帳は、社会生活上において支障を受けている人が対象となります。吃音によって、日常生活や仕事上でコミュニケーションに問題がある場合、障害者手帳を取得することができます。
2,吃音で日常生活や仕事上の支障が半年以上続いていること
障がい者手帳の取得には、日常生活や仕事上の支障が半年以上続いている必要があります。医師の診断書によって、吃音による支障が半年以上続いていることを証明する必要があります。
そのため、吃音の診断書を作成してもらうには半年間、通院する必要があります。転職や就職活動において、手帳の紹介を考えている場合には、計画的な行動が必要となります。
3,治療の必要性があること
吃音に対して、治療が必要な場合にも障がい者手帳を取得することができます。治療には、言語療法や音声言語療法、音声トレーニングなどがあります。治療が必要であることを医師の診断書によって証明する必要があります。
上記の要件を満たした場合、医師の診断書や治療の内容を証明する書類を提出し、市区町村の障がい者福祉課などに申請することで、障がい者手帳を取得することができます。
取得の具体的な手順
実際の障がい者手帳の取得は、このような流れになります。
1,医師の診断書の取得
吃音による支障がある場合、まずは医師の診断書を取得する必要があります。吃音についての専門的な知識を持った医師に診断してもらい、その診断書を入手します。診断書には、以下の項目が必要です。
- 吃音による支障の有無
- 支障の程度や症状
- 治療の必要性と方法
- 社会生活における支障の有無と程度
また、診断書の作成には初診から半年間の通院が必要であり、最終的な診察時に診断書を作成してもらうことができます。
そのため、市役所などで必要な書類を事前に準備しておくことで、障害者手帳の申請がスムーズに行えるようにしましょう。
2,障がい者手帳の申請
診断書を入手したら、市区町村の障がい者福祉課などに障がい者手帳の申請をします。手帳の種類や手続きは、地域によって異なる場合がありますので、事前に調べておくことをおすすめします。
書類の提出 申請に必要な書類は、地域によって異なりますが、以下の書類が必要な場合があります。
- 医師の診断書
- 身分証明書
- 印鑑
- 写真
また、申請にあたっては、市区町村で指定された受付窓口に提出する書類以外にも、本人の状況によって必要な書類がある場合があります。事前に確認しておくことをおすすめします。
3,審査結果の通知
申請から数週間程度で、審査結果が通知されます。通知内容には、取得できた障がい者手帳の種類や、取得できなかった場合にはその理由が記載されています。
手続きには時間がかかるため、早めの行動が必要です。
吃音者の障がい者手帳取得の課題
ここまで障害者手帳の取得方法を紹介してきましたが、まだまだ吃音での障害者手帳の取得には課題があります。
今回は障害者手帳の取得において、どのような課題があるのかを紹介します。これにより、適切に対応することで不安な点を解消できるようにしましょう。
吃音の症状が判断されにくい
吃音は、その程度や生活上の支障度合いが人によって異なるため、障がい者手帳の交付においても判断が難しいという課題があります。
そのため、吃音者自身が病院や支援機関などで受診や相談をすることが重要となります。
また、その場での説明になると良いです。ほとんど吃音が出ない状態で話すことができたり、反対に自分の症状や社会生活における不便な点などを説明するときには、いつも以上吃音の症状が出てしまったりすることがあります。
説明することが得意ではない人が多いと思いますので、自分自身で書類をまとめておいて、説明しやすいようにしておくこともお勧めです。
吃音治療の認知度の低さ
他にも、そもそも吃音があるため、診断できる人があまり多くない現状があります。そのため、自分の住んでいる近くの病院で吃音が診断できるかどうかという課題もあります。
また、吃音外来の数が少ないこともあり、新規予約を取ることができないことがあります。そのため、自分の地域でどこの病院が吃音外来を行っているか、例えば吃音の診断ができるのかということを事前に調べておく必要があります。
このような場合には、同じ地域に吃音や障害者手帳を取得した人がいると、実際にどこの病院で障害者手帳や診断書を書いてもらったのかという情報収集ができるので、吃音の団体やコミュニティに所属することも一つの方法です。
手帳取得における煩雑な手続き
障がい者手帳を取得するには、煩雑な手続きが必要となります。吃音者自身やその家族が手続きに苦労する場合があり、支援を受けることが必要です。
書類や手続きなどは初めてすることがほとんどだと思いますので、複雑に感じる人もいるかもしれません。そんな場合は市役所などで手続きを行うことができるので、積極的に聞いてスムーズに進めることが大切です。
障がい者手帳のメリット
吃音者で障がい者手帳を取得している人はまだまだ多くありませんが、取得には大きなメリットもあります。
1,税金のメリット
障害者手帳を持っている方は、所得税と住民税の控除が受けられます。所得税においては、障害者控除額が27万円で、所得金額から27万円が控除されます。住民税においては、所得金額から26万円が控除されます
また、相続税10万円・贈与税3000万円の控除が受けられる場合もあります1。他にも、利息が非課税になるという税制優遇がある場合もあります。
2,福祉サービスの利用
障がい者手帳を持つことで、福祉サービスの利用が容易になります。吃音者は、話し方に問題があるため、就労や社交活動、公的手続きなどで困難を抱えることがあります。障がい者手帳を持っていると、支援センターに相談したり、生活相談員に相談することで、福祉サービスの利用がよりスムーズになるでしょう。
3,医療費の助成
障がい者手帳を持つことで、医療費の助成が受けられる場合があります。吃音の治療には、言語聴覚療法やスピーチセラピー、補聴器などがありますが、これらの治療には一定の費用がかかります。障がい者手帳を持っていると、医療費が一部助成される場合があります。
4,就労や教育の支援
障がい者手帳を持つことで、就労や教育において支援を受けることができます。
就職活動の際に、吃音者に合った就職先の紹介や就職支援、職場での配慮などが受けられる場合があります。また、教育においても、吃音者に合った学習支援や配慮を受けることができます。
仕事での障がい者手帳取得のメリット
また仕事に関して言えば、このようなメリットがあります。
1,雇用支援
障がい者手帳を持っていると、雇用支援サービスを受けることができます。
就職先の紹介や職業訓練、職場での配慮などが受けられるため、就職活動がスムーズになる可能性があります。
2,配慮の請求
障害者手帳があると、一般雇用の採用枠であったとしても、障害者雇用手帳を履歴書に記載することができるので、コミュニケーションをとる前に相手に自分の状態を知らせることができます。
また、吃音者は、就労中にもコミュニケーション上の障害を抱えることがあります。
障がい者手帳を持っていると、職場に対して配慮を求めることもできます。例えば、社内の研修や会議での配慮、口頭での指示を書面にまとめてもらうことなどが考えられます。
まとめ
この記事では、吃音患者が障害者手帳を取得するための要件やメリットについて解説しています。身体障害者手帳や療育手帳の交付対象となる場合があり、福祉サービスの利用や医療費の助成、就労や教育における支援が受けられるようになります。
医師の診断書をもって市区町村の障がい者福祉課などに申請することで取得が可能です。障がい者手帳を持つことで、税金の軽減や各種割引なども受けられます。
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