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多くの吃音者がそうであるように、音読の時間が嫌だったというKayさん。そんな彼が当時の自分に教えてあげたい「音読を乗り越える」アドバイスについて投稿していただきました。
吃音を気にするあまり、音読がある日は授業の内容が頭に入ってこなかった
今回の記事を書くにあたり、吃音に関する思い出で、一番古い出来事はなんだろう?と思い返してみると、小学校時代の音読が思い浮かびました。
小学生の時に限らず、学生時代全てに当てはまることですが、私は国語の授業などの音読の時間がすごく嫌でした。
なぜかというと、周りのみんながスラスラと読んでいる中、自分だけ吃ってしまい、時間がかかってしまうからでした。
沈黙の中、みんなを待たせてしまっているという焦りで、余計に言葉が出てこなくなることも多々ありました。
意見を発表する時は、言いやすい言葉に言い換えたりできるので、まだ気持ちは楽でした。一方、音読では教科書通りに読まないといけないため、とてもストレスに感じていたように思います。
できるだけ最初の文字が言いやすい段落で順番が回ってくることを祈ったり、どうしても出てこないときは、漢字が読めなくて考えているフリをしたりして、なんとかその場を凌ごうとしました。
特に出席番号と日付が被る日は当てられることが多いため、朝から憂鬱だったのを覚えています。
このように、話すことが頭の中の大半を占めていたため、正直授業の内容はあまり頭に入っていなかったように思います。
今考えると、「あんなに思い詰めなくてもよかったな…」と思いますが、吃音という言葉自体知らなかった当時は不安でいっぱいでした。
結局、私自身はそういった場での対処法を見つけることなく卒業してしまいましたが、音読の場面を「話す練習をするいい機会」だとプラスに考えることもできるのではないかと思います。
当時の自分へアドバイス。自分へ意識を向けないように色々な人の話し方を真似してみては?
もし当時の自分にアドバイスをするとしたら、次のようなことを勧めると思います。
それは、誰かが話しているときの真似をしてみるということです。
話す際に、吃ってしまう自分自身へ意識が向いてしまうと、余計に発話しづらくなってしまうと思います。
そこで、音読の上手な友達や、芸能人などの話し方を真似してみると良いのではないかと思います。
「いつもと違う話し方をすることで、変に思われてしまうのではないか?」という恥ずかしさもあるかと思います。
ただ、どうせ吃ってしまってやるせない思いを抱えてしまうのなら、いろいろな話し方を試してみると良いと思います。
もしかしたら自分に合った話し方、新たな自分を発見することができるかもしれません。
私も現在、言語聴覚士の方のアドバイスで、いつもよりゆっくりした速度で音読をする練習を続けています。
大人は困っている人がいたら、ただ見守るだけではなく手を差し伸べてあげて。
しかし、小学生の場合は自分でそこまで考えることは難しいと思います。
そこで、周りの大人がどう対応するかも大切だと思います。ただ周りと同じようにひたすら音読させたり、本人だけ特別扱いしたりすると、本人を思い悩ませてしまうかもしれません。
そこで、2人1組で同時に音読させてみたり、メトロノームに合わせて音読してみるなど、周りの人と一緒に取り組める工夫をすると良いのではないでしょうか?
吃りながら話す人を「ただ優しく見守る」だけなら簡単かもしれません。しかし、困っている人がいたらただ見守るだけではなく、手を差し伸べてあげることが本当の優しさだと思います。
以上のように周りの人を巻き込んで吃音と向き合うことで、吃音当事者本人を助けるだけでなく、吃音という症状を広く理解してもらうきっかけにもなるのではないでしょうか。(Kay)
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