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吃音に悩む人の多くは、周りの人に吃音と伝えても「大丈夫だよ」「気にしないほうがいいよ」と取り合ってもらえなかった経験があるかもしれません。そんなとき、吃音に悩んでいるのは世界で自分1人だけなのでは…?という孤独感に押しつぶされてしまうことも。今回は幼少期から吃音に悩むKayさんの体験談を掲載します。
知人の前だと余計に吃音が出てしまう私。
私は現在社会人1年目で、幼少期から吃音の症状に悩まされています。
今までの経験で特に印象深いのが、中学生の時のことです。当時は周りと問題なくコミュニケーションが取れ、成績も良かったことから、部活動の部長や学級委員を任されました。
そのため、全校生徒の前で話すことが多くなり、どもってしまって恥ずかしく、惨めな思いをすることが多々ありました。
特に私の場合「知人の前だと余計に症状が出てしまう」という傾向がありました。同じ学校内に妹がいることもあり、他学年からの知名度があることが分かっていたため、余計に症状が出てしまいました。
今思えば、全校生徒の前で話す場面だけは副部長に任せる、など配慮してもらえたらよかったのですが、自他ともに吃音に対しての知識がなかったため「練習すれば改善する」と思われていたのかもしれません。
吃音で悩んでいても「大丈夫」と軽視されてしまう現実。
先生や友達からはあまり心配されず「なんとかなる」「大丈夫」と言われることが多く、小さいながら吃音が軽視されていることに疑問を感じていました。
また、その頃から「自分は普通でない」と考えるようになり、日常生活で「話す」ということに対して、いちいち緊張する必要のない周りの人を羨ましく思ったりもしました。
これは吃音に対する理解が進んだ現在でも消えることがなく、就職活動でも吃音を理由に面接を避けてしまったり、話さなくていいように業種を絞ったり、ということを無意識のようにしてしまいます。
しかし、現在言友会などの自助団体で、中学生くらいの吃音当事者の子供が話すのを見ていると、吃音が出ているという事実にはあまり目がいかず、話している内容や姿勢に目がいくことがわかりました。
また、大人の方に関してはほとんど症状が見られない方が多く「こんなに流暢に話しているのに、なんで悩んでいるんだろう?」と思ってしまう自分に驚きました。
このように、当事者と周りの人との間に吃音に対する意識の差が生じてしまうのは仕方がないとはいえ、当事者の肩身を狭くしてしまっていることは事実だと思います。
これを解消していくためにも、吃音に対する認識が広まっていけば良いなと思います。また裏を返せば、私自身が「周り以上に吃音に対して重く受け止めすぎている」とも言えるため、言語聴覚士の方との訓練を通じて吃音を気にせず、自分に自信を持って生活できるようになりたいと思っています。(Kay)
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