私の吃音克服〜ターニングポイント〜 - HAPPY FOX

私の吃音克服〜ターニングポイント〜

  1. 吃音の体験談
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本記事は小学1年生の頃に吃音を発症したとみさんが、20年以上経って様々な苦難を乗り越えながら克服するまでの経験をまとめました。

とみの体験談
写真はイメージです。

私にとって吃音克服の定義は、吃る自分を認めて吃ることを気にしない状態になることです。理想は全くどもらなくなることかもしれませんが、ここを克服としてしまうと吃音者は自分を苦しめます。

これまでを振り返ってみて、私自身が苦難を乗り越えながら克服するまでには3つのターニングポイントがありました。

小学4年生 野球との出会い

・中学2年生 生徒会立候補!?演説で大恥

・20歳の決意

小学4年生 野球との出会い

小学4年生 野球との出会い
写真はイメージです。

私は小学1年生の頃から吃音が出始めました。同じ吃音をお持ちの方ならお分かりになるかと思いますが、音読や日直や朝の挨拶など全てに吃音が出てしまい、周りの友達からは不思議がられたり、笑われたり、真似されたりして辛い思いをしました。

今思い返せば、誰一人吃音について理解をしてもらえない状況で生活することは、人生の中でも一番辛い経験をしたと言っても過言ではないかと思います。

そんな辛い日々を送っていたある日、私は野球好きの祖父に誘われて野球を始めることになりました。家庭の事情もあり、毎週末は祖父母の家で生活をしていたので、その近隣で野球を始めることになりました。

チームメイトは全員知らない人達で、まるで転校生のような感じだったことを覚えています。

ここで野球を始めたことが、高校卒業まで野球を続けるきっかけにもなれば、今でも仲良くしてもらえる大切な友人と出会えたターニングポイントの一つであったと断言できます。

吃音の無理解に傷つくたびに苦笑いしながら流すことは多くありました。しかし、この時期から自分自身で傷ついたことを笑いに変えたり、吃ることを相手に気にさせないくらい明るく振る舞ったりすることで、精神的に余裕が持てるようになりました。

中学2年生で生徒会立候補!?演説で大恥

中学2年生で生徒会立候補!?演説で大恥
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中学2年生になった私は、変わらず吃音は出ていましたが、少々緩和されていました。

そんなある日、学校の掲示板にふと目がとまりました。「生徒会立候補者募集。」その文字を見た瞬間、自分が変われるような気がして、すぐに申し込みしました。

中学2年生の私は、吃ることから逃げている自分に少し嫌気がさしていました。そして、大勢の人の前で話すことができれば、自信がつくと思ったのです。

生徒会立候補演説の当日、3、400人くらいの全校生徒と教員の前に立ちました。演説を始めた途端、私は派手に吃ってしまい、笑われてしまいました。

しかし、これの演説は恥をかくことが分かった上での挑戦でした。それでも自分を変えたいと演説に望んだため、これ以上の緊張感そして醜態を晒すことはもうないだろうと思えたことは良い経験になりました。

この日、吃音があっても振り切っていこうと決心したことを今でも覚えております。

20歳の決意

20歳の決意
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20歳になるまで、吃音に関わらずいろんな方と出会い関わる中で、自分がどう思われているのかを常に気にしていました。

相手と意見が違っても、それに合わせれば上手くいくと考えていました。皆に好かれようとばかり思っていたのは、吃音を持っているし、嫌われることが怖かったせいでもあります。

その頃は、自分の吃音のことを打ち明けていませんでした。嫌われることはありませんでしたが、一方で深い関係を築けた友人もいませんでした。

しかし、人にどう思われるかを常に気にして、嫌われることを恐れることが段々歯痒くなっていきました。ある日、そういうことを一切やめて、言いたいことは言い、やりたいことはやり、嫌われる勇気を持とうと決意しました。

そうした結果、沢山の良き理解者と付き合えるようになりました。20歳の時に沢山のマインドの変化があったことから思考が変わり、行動が変わり、環境が変わりました。それによって自分としてのあり方が定まり、次第に吃音が克服に向かっていったと思っております。

以上、3つのターニングポイントが私の吃音の克服に繋がってきたというお話しでした。ここには書ききれないほどの失敗を重ねてきましたが、吃音だからという考え方は幼い頃から持たないようにしてきました。

吃音の克服の定義は人それぞれですが、吃音があっても、何か一歩チャレンジしてほしいと思います。まずその環境を作るのは、これを読んでいただいている大人の皆様です!

ぜひ、この記事を読んで感じたことをお子様に伝えていただけると嬉しいです。ここまでお読みいただきありがとうございました。(とみ)

日本吃音協会(SCW)

吃音への認知・理解はいまだに不足しており、 吃音を持つ人のなかには
「自分の人生は素晴らしい。幸せだ。」 と思えない人も少なくありません。
私たちは、SCW (Stuttering Change The World =吃音が世界を変える)を
活動スローガンとしてその輪を広げることで、言葉の病気に対しての理解が不足している 社会を変え、吃音を持つ仲間が 幸せに生きることができる 社会をつくっていきます。
*当事業の売上はすべて吃音啓発活動や社会貢献活動に使われます。

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