高校での吃音対策!自己紹介や発表の克服やいじめの対応策 - HAPPY FOX

高校での吃音対策!自己紹介や発表の克服やいじめの対応策

  1. 吃音症の知識
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この記事は、吃音症のある人が学校生活で抱える課題や困難、そしてそれらに対する克服方法や対処法について解説しています。

自己紹介や発表をする際の練習方法や緊張緩和法、いじめに対するサインや対処法、学校や保護者との連携、自己肯定感を高めるアプローチなど、実践的なアドバイスが満載です。

吃音症について正しく理解し、自己肯定感を高めることで、吃音症のある人がより豊かで充実した学校生活を送ることができるようになるでしょう。

はじめに

1-1. 吃音症と学校生活の課題

吃音症の人は、学校生活においてさまざまな課題に直面しています。例えば、授業では音読や発表などで苦手さや支援の必要性を感じることが多く、友達関係ではからかいや真似などで悩むことがあります。

また、周囲の人の理解や対応も十分ではなく、吃音症の人は自分の話し方に対してプレッシャーや不安を抱えることがあります。これらのことは、吃音症の人の心理的な健康や自尊感情に影響を与える可能性があります。

吃音者が自己紹介や発表を克服する方法

2-1. 練習方法とポイント

自己紹介や発表をする前に、できるだけ多く練習することが大切です。練習する際には、以下のポイントに注意してください。

  • 自分のペースで話すこと。早口にならないように、ゆっくりと呼吸をしながら話しましょう。
  • 話す内容を頭の中で整理すること。話す順序やキーワードを決めておき、メモやカードを使っても構いません。
  • 聞き手の目を見ること。目を合わせることで、自信や関心を示すことができます。また、聞き手の反応を見ることで、話し方を調整することもできます。
  • 練習相手にフィードバックを求めること。家族や友人など、信頼できる人に練習してもらい、話し方や発音などについてアドバイスをもらいましょう。

2-2. 発表時の緊張緩和法

発表の直前や最中に緊張してしまう場合は、以下の方法を試してみましょう。

  • 深呼吸をすること。深く息を吸って吐くことで、心拍数や血圧を下げることができます。また、酸素が脳に行き渡ることで、集中力や思考力も高まります。
  • リラックスできる音楽や香りを聞く・嗅ぐこと。好きな音楽やアロマなどを聞いたり嗅いだりすることで、気分を落ち着かせることができます。ストレスホルモンの分泌も抑えられます。
  • ポジティブな言葉やイメージを思い浮かべること。自分に自信が持てないときは、自分の長所や成功体験などを思い出しましょう。また、発表がうまくいくというイメージを持つことで、不安感や恐怖感を減らすことができます。

2-3. 先生や友人への事前説明

自己紹介や発表をする前に、先生や友人に自分が吃音者であることを伝えることも有効です。事前説明する際には、以下の点に気をつけましょう。

  • 簡潔に伝えること。長々と説明する必要はありません。自分が吃音者であること、話すのに時間がかかるかもしれないこと、聞き手の協力をお願いしたいことなどを端的に伝えましょう。
  • あらかじめタイミングを決めておくこと。発表の直前ではなく、事前に先生や友人に連絡しておくことが望ましいです。そうすることで、聞き手も心構えができます。

2-4. 配慮を求める方法

自己紹介や発表の際には、聞き手に配慮を求めることも大切です。配慮を求める方法としては、以下のようなものがあります。

  • 事前に資料を配布すること。話す内容を書いた資料やスライドを事前に配布することで、聞き手は話の流れやポイントを把握しやすくなります。また、どもっても内容が伝わりやすくなります。
  • 質問は最後にまとめて受け付けること。話す途中で質問されると、ペースが乱れたり、緊張が増したりする可能性があります。そこで、質問は最後にまとめて受け付けるように伝えましょう。質問に答える際も、自分のペースで話すことを心がけましょう。

吃音者の学校でのいじめ対策

3-1. いじめのサインと対処法

吃音は、周囲の人々にとっては理解しにくい症状であり、誤解や差別的な態度をとる人もいるため、吃音の人がいじめを受けることがあります。

いじめは、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているものです。いじめのサインとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 話し方を真似されたり、からかわれたりする
  • 話しかけても無視されたり、仲間外れにされたりする
  • 話し方だけに注目されて、話の内容を聞かれなかったり、アドバイスされたりする
  • 話せないだろうからと話す機会を奪われたり、不利益を被らせられたりする
  • 物を隠されたり、落書きされたりする
  • SNSで悪口を書き込まれたりする

いじめに遭っている場合は、まず自分の気持ちを認めてあげることが大切です。自分が悪いわけではなく、吃音を理解してくれない人が問題です。次に、信頼できる人に相談することが必要です。親や友達、先生やカウンセラーなど、話しやすい人に自分の状況を伝えましょう。一人で抱え込まずに、助けを求める勇気を持ちましょう。また、吃音のある仲間や自助団体に参加することも有効です。吃音のある人同士で話したり、支え合ったりすることで、自信や安心感を得られます。

3-2. 吃音症についての理解を深める

吃音症は、言葉が詰まったり、繰り返したりする発話障害です。吃音症の原因はまだ解明されていませんが、生まれ持った体質的要因と環境要因が関わって生じるとされています。吃音症は伝染病ではなく、親の愛情不足や育て方に問題があるわけではありません。また、吃音症は治すものではなく、付き合っていくものです。発話指導やカウンセリングなどを通して、症状が軽減されたり、言葉を出しやすくなったりすることがありますが、完全に消えることは少ないです。

吃音症について正しく知ることは、自分自身や周囲の人々に対して大切です。自分自身に対しては、吃音症は自分の一部であり、恥ずかしいことではないと受け入れることができます。周囲の人々に対しては、吃音者に対する偏見や誤解を減らすことができます。また、吃音者の気持ちや困難を理解し、サポートすることができます。

3-3. 学校や保護者と連携する方法

学校でのいじめ対策には、学校や保護者と連携することが重要です。学校では、教師や学校カウンセラーなどの専門家と相談し、吃音者に適した教育環境や支援策を提供することが必要です。例えば、発表や読み上げなどの授業での配慮や、友達づくりやコミュニケーションスキルの育成などの活動を行うことができます。保護者では、家庭でのコミュニケーションや態度に気をつけることが必要です。例えば、吃音者の話をじっくり聞いたり、話し方を直そうとせずに受け止めたりすることができます。

3-4. 自己肯定感を高めるアプローチ

自己肯定感とは、自分自身を肯定的に評価し、尊重し、愛する感情です。自己肯定感が高い人は、自分の能力や価値を認め、自信を持って行動できます。一方、自己肯定感が低い人は、自分の欠点や失敗に焦点を当て、不安や劣等感を抱きます。吃音者は、自分の発話障害によって自己肯定感が低下することがあります。そのため、自己肯定感を高めるアプローチが必要です。

自己肯定感を高めるアプローチには、以下のようなものがあります。

  • 自分の長所や強みを見つけて認識すること。吃音者は、発話以外の分野で優れた能力や才能を持っていることが多いです。例えば、音楽や芸術、スポーツや学業などです。これらの分野で自分の得意なことや好きなことを見つけて、それを誇りに思うことが大切です。
  • 自分の発話障害を受け入れること。吃音者は、自分の発話障害に対して否定的な感情を持つことがあります。しかし、それは自分の一部であり、それがあっても自分は価値ある存在であるということを理解することが必要です。発話障害は治療や訓練によって改善する可能性がありますが、それに依存せずに、現在の自分を受け入れる姿勢が大事です。
  • 自分の発話障害についてオープンにすること。吃音者は、自分の発話障害について隠そうとしたり、言い訳したりすることがあります。しかし、それは逆にストレスやプレッシャーを増やすことになります。自分の発話障害についてオープンにすることで、周囲の人々に理解や支援を求めることができます。また、他の吃音者と交流することで、共感や励ましを得ることもできます。

4.吃音と友だちや恋愛の関係

吃音症の人は、友だちや恋人との関係を築くのに苦労することが多いかもしれません。しかし、吃音症はコミュニケーション能力や人間性とは関係ありません。自分に自信を持ち、積極的に交流することで、素敵な人間関係を築くことができます。この章では、友だち作りや恋愛における吃音症の影響や対処法について紹介します。

4-1. 友だち作りのコツ

友だち作りは、吃音症の人にとって大きな課題です。話すことが苦手な人は、自分から話しかけたり、グループに参加したりするのが難しいかもしれません。しかし、友だち作りには話すことだけが必要なわけではありません。聞くことや共感することも大切です。また、自分の趣味や興味に合った人を探すことも効果的です。以下に、友だち作りのコツをいくつか挙げます。

  • 自分の長所や魅力を見つける。自分に自信を持つことで、他人にも好印象を与えることができます。
  • 吃音症を隠そうとしない。吃音症は自分の一部であり、恥ずかしがる必要はありません。吃音症を受け入れることで、リラックスして話すことができます。
  • 話題を用意する。話すことが苦手な人は、話題に困ることが多いかもしれません。そんな時は、自分の趣味や興味、最近見た映画や読んだ本などを話題にすると良いでしょう。
  • 相手の話に興味を持つ。相手の話をよく聞き、質問したり感想を言ったりすることで、会話を盛り上げることができます。相手の話に共感したり、共通点を見つけたりすることも親近感を高めます。
  • 積極的に参加する。友だち作りの機会はたくさんあります。学校や職場、サークルやボランティアなどで、気になる人や同じ趣味の人に声をかけてみましょう。また、誘われたら断らずに参加することも大切です。

4-2. 恋愛における吃音症の影響

恋愛において大切なのは、相手のことを尊重し、信頼し、コミュニケーションをとることです。

吃音症は、そのような関係を築くのに支障をきたすものではありません。むしろ、吃音症を受け入れてくれる相手と出会えたら、それは本当の愛だと言えるでしょう。

4-3. カミングアウトのタイミング

吃音症の人は、自分の状態を相手に伝えることに悩むことがあります。いつ、どのようにカミングアウトすべきかは、個人の判断によりますが、いくつかのポイントを挙げてみます。

  • カミングアウトは、自分の気持ちに自信があるときに行うと良いでしょう。相手に好意を持っていることを伝える前に、自分が吃音症であることを受け止められる準備ができているか確認しましょう。
  • カミングアウトは、相手と二人きりで話せる場所で行うと良いでしょう。周りに人がいると、緊張したり、話しづらくなったりする可能性があります。また、相手も落ち着いて話を聞いてくれるでしょう。
  • カミングアウトは、自分から積極的に行うと良いでしょう。相手から質問されたり、指摘されたりするのを待っていると、不自然に感じられたり、不快に思われたりする恐れがあります。自分から率直に話すことで、相手に信頼感や誠実さを与えることができます。

4-4. 相手への理解を促す方法

カミングアウトした後は、相手に吃音症について理解してもらうことが重要です。しかし、吃音症は一般的な知識ではないため、相手がどのように反応するか予測するのは難しいかもしれません。以下に、相手への理解を促す方法をいくつか紹介します。

  • 吃音症に関する正しい情報を提供する。吃音症は心理的なものではなく、脳や神経系の働きに関係するものであることや、治療法や対処法があることなどを説明しましょう。インターネットや書籍などの資料も参考になります。
  • 吃音症の人が感じる苦しみや困難さを伝える。吃音症の人は、話すことに対して恐怖や恥ずかしさを感じたり、差別や偏見に遭ったりすることがあります。そのような経験や感情を素直に話すことで、相手に共感してもらうことができます。
  • 吃音症の人が望むサポートや配慮を伝える。吃音症の人は、話す場面で周囲の人からどのようなサポートや配慮を望んでいるかは人それぞれです。例えば、「話し終わるまでじっと聞いてほしい」「言葉を代わりに言ってほしい」「アドバイスは求めていない」などです。相手に自分の希望を伝えることで、コミュニケーションがスムーズになります。

5.学校生活における吃音対策

5-1. 会話や電話対応の工夫

吃音のある人は、会話や電話で言葉がつまってしまうことがあります。そのときに、相手にどう思われるか、どう対応されるかが気になるかもしれません。しかし、吃音は自分の意思とは関係なく起こるもので、恥ずかしいことや悪いことではありません。自分のペースで話すことが大切です。

会話や電話で工夫できることはいくつかあります。例えば、以下のようなことです。

  • 吃音をカミングアウトする。相手に「私は吃音があって、言葉がつまることがあります。少し時間がかかるかもしれませんが、最後まで聞いてください」と伝えることで、相手に理解してもらいやすくなります。また、自分も気持ちが楽になります。
  • 質問を投げかける。相手に質問をすることで、会話の流れを作りやすくなります。また、相手の話を聞くことで、自分の話すタイミングを見つけやすくなります。
  • 電話では名前を書いて見せる。自分の名前が言いにくい場合は、電話では名前を書いた紙を見せることで、相手に伝えやすくなります。また、電話番号や住所なども書いておくと便利です。

5-2. 本読みや斉読の対策

学校では、本読みや斉読といった発表の機会が多くあります。吃音を持つ生徒にとっては、これらの場面はとても苦手で、緊張や不安を感じることでしょう。しかし、これらの場面を避けることはできませんし、避けることは吃音の改善にもつながりません。では、どうすればよいのでしょうか?

まず、自分の吃音を隠そうとしないことが大切です。吃音を隠そうとすると、余計に力が入ってしまい、吃音が悪化する可能性があります。また、周囲の人にも吃音についてオープンにしておくことで、理解や協力を得やすくなります。先生や友達に「吃音って聞いたことある?言葉が詰まって上手く出てこない時ある症状なんだけど…もし上手く話せない時があったらサポートお願いね!」と軽く伝えておくだけでも違います。

次に、自分のペースで話すことが重要です。本読みや斉読では、早口になったり、周りに合わせようとしたりすることがありますが、それは吃音になりやすい話し方です。自分のリズムでゆっくりゆったり話すことで、吃音を減らすことができます。また、抑揚をつけて話すことも効果的です。抑揚をつけると、話し方が流れるようになり、単調なリズムで話すよりも吃音が起こりにくくなります。

最後に、発表の練習をすることもおすすめです。発表の内容や順序をしっかり覚えておくことで、発表中に迷ったり慌てたりすることを防ぐことができます。また、発表の練習をすることで、自分の発声や話し方を確認したり、改善したりすることができます。発表の練習は一人でもできますが、可能であれば先生や友達に聞いてもらってフィードバックをもらうとより効果的です。

本読みや斉読は吃音者にとって難しい場面ですが、上記の対策を取ることで乗り越えることができます。自分の吃音を受け入れて、自信を持って発表しましょう。

5-3. 号令や返事の対応法

学校では、号令や返事などの一斉発声の場面があります。これらは本読みや斉読よりも短い言葉ですが、それだけに吃音が目立ちやすく感じるかもしれません。しかし、号令や返事は自分の意思を表明することや集団の一員であることを示すことが目的であり、発声の質や速さは重要ではありません。

そのため、号令や返事をするときは、自分のペースでゆっくりと発声することを心がけましょう。また、周りの人に吃音について理解してもらうことも大切です。号令や返事をする前に、先生や友達に吃音について話しておくと、気持ちが楽になるかもしれません。

5-4. 2人読み(斉読)や配慮の求め方

学校生活では、授業や発表などで話す機会が多くあります。吃音を持つ生徒は、話すことに不安や恐怖を感じることがあります。そんなときには、先生や友達に配慮を求めることができます。例えば、以下のような方法があります。

2人読み(斉読)

教科書や資料を読むときに、一人で読むのではなく、隣の人と一緒に読むことです。2人で声を合わせることで、吃音が出にくくなることがあります。また、一人で読むよりも緊張が和らぐこともあります。先生に2人読み(斉読)をしてもいいか聞いてみましょう。

配慮の求め方

話すことが苦手な場合は、先生や友達にそのことを伝えましょう。例えば、「私は吃音があるので、話すのが難しいです。話すときはゆっくり話させてください。」や「私は吃音があるので、話すのに時間がかかります。話している間はじっと聞いてください。」などの言葉を使ってみましょう。先生や友達は、あなたの気持ちを理解してくれるはずです。

6.まとめ

6-1. 学校での吃音対策の概要

学校での吃音対策は、自分の吃音を受け入れること、吃音に関する知識や技術を身につけること、吃音に対する周囲の理解や支援を得ること、吃音に関する自信や自尊感情を高めることが重要です。これらの対策は、吃音の症状だけでなく、吃音に伴う心理的な問題や社会的な問題にも効果的です。

6-2. 自己紹介や発表の克服方法

自己紹介や発表は、多くの吃音者にとって苦手な場面です。しかし、事前に準備をすること、リラックスすること、自分らしく話すこと、聞き手と目を合わせること、フィードバックを受け入れることなどで、自己紹介や発表を克服することができます。また、自己紹介や発表の機会を積極的に作ることで、吃音への恐怖や回避を減らすことができます。

6-3. いじめ対策と人間関係の構築

学校でのいじめは、吃音者にとって深刻な問題です。いじめに遭った場合は、無視したり我慢したりせずに、信頼できる大人や友人に相談したり助けを求めたりしましょう。また、いじめを防ぐためには、自分の吃音をオープンにすること、吃音について説明すること、いじめっ子に対して積極的に対処することが有効です。さらに、人間関係を構築するためには、自分から話しかけたり参加したりすること、共通の趣味や話題を見つけること、友人や先生とのコミュニケーションを大切にすることが必要です。

6-4. 学校生活を楽しむための吃音対策

学校生活を楽しむためには、吃音があっても自分の夢や目標を持つこと、自分の得意なことや好きなことを見つけて伸ばすこと、学校以外の活動や趣味にも挑戦することが大切です。また、吃音があっても楽しく話せるようになるためには、話すこと自体を楽しむこと、話す内容や相手に集中すること、話すスピードやリズムを調整することなどが助けになります。最後に、吃音があっても幸せになれるようになるためには、自分の吃音を肯定的に捉えること、他人からの評価ではなく自分からの評価で自分を認めることが重要です。

なおき

3歳の頃から吃音を発症。

日本吃音協会で同じ吃音者と出会い「同じ吃音者でも様々な意見や価値観の人がいる」と知りました。

吃音悩む人が少しでも少なくなればいいと思い、記事を作成しています。

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