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吃音当事者のイナベシンイチです。私は、吃音者は自己啓発に取り組んでいる割合が高いと考えています。今回は私がオススメする自己啓発分野を2つ紹介していきます。
吃音者は危機感から自己啓発に取り組んでいる割合が高い
データはありませんが、吃音者は自己啓発に取り組んでいる割合は高いと思われます。
どうすれば吃音が出ずに話せるようになるのかを普段から考え、努力している人が少なくないからです。
例えば、ボイトレや吃音外来、話し方教室に通っている人もいます。私も話し方教室に通っていた時期がありましたが、実際に「吃音を持っている」という方がいらっしゃいました。
自己啓発に取り組むきっかけは、危機感、キャリアチェンジ、起業など様々でしょう。そのうち吃音者の殆どは危機感によるものだと思います。
吃音者にオススメな自己啓発の分野
吃音者にオススメな自己啓発の分野は次の2つです。
1つ目は「心理学」、そしてもう1つは「文章力」の向上です。
それぞれについて見ていきます。
心理学
心理学とは「人の行動習性における学問」のことです。
全ての人には、共通した行動習性が存在します。ここでは詳しく取り上げませんが、例えば「みんなと同じことをしていると安心する」「うまくいかなかったらどうしようと緊張する」「褒められると嬉しくなる」など、様々な習性があります。
吃音を馬鹿にしてくる人は「なぜ馬鹿にしてくるのか?」を考えるとストレスを軽減させることができます。
また心理学は、変化の激しい時代である現在においても普遍かつ不変であるため、心理学スキルを維持していくための学習は必要ありません。
もちろん今後は新たな心理学が提唱されるかもしれませんが、変化のスピードは遅いです。
心理学の一つであるNLPも1970年代に開発されたものであり、開発されてから50年が経とうとする現代でも活用されています。
さらに交流分析という心理学は、1950年代後半に提唱された理論ですが、60年以上経過している現在でも陳腐化されていません。
逆に、弁護士・税理士などの法律を扱う専門家は、法改正のたびにその改正された部分を学んでおかないと仕事になりません。
また、システムエンジニア・医者などのように技術の進歩の速い知識を必要とする職業に就いている人も、常に学び続けていかなければ知識やスキルは陳腐化して役に立たなくなり、仕事にならなくなるでしょう。
では、心理学を学ぶにはどうすれば良いのか?
次の方法があります。
- 心理学関連の本を読む
- 講座を受講する
①心理学関連の本を読む
ハードルが低く最低限のコストで済みます。心理学に関連した本を3~5冊程度購入し、重要だな。と思えるところを中心に読んでいきます。それにより知識がインプットされ、実際に活用していけばいいのです。
②講座を受講する
NLPなどの講座が開講されています。受講料は高額ですが、講座の中の他の受講生との交流を深め、サードプレイス(家庭・職場以外の場所)を構築することができます。また、講座の中で学んだことを実践していくため、ものにしやすいのが特徴です。
文章力
当然ながら吃音者は「喋るのが苦手」というレッテルを貼られています。
私もITベンチャー企業在籍時に、研修にて社長を目の前にしてプレゼンを行いましたが、終わった後、その社長から「喋るの苦手か?」と訊かれてしまいました。
その時は適当に「うーん」と首をかしげましたが、大変ショックでした。
現代におけるコミュニケーションは「話す」だけではありません。文章を使って相手に伝えることも少なくありません。
例えば、メール、SNSなどの手段を用いて伝えることができます。特に新型コロナウイルスによりテレワークが普及した現代においては、ビジネスにおけるメールは最も重要なコミュニケーション手段といっても過言ではないでしょう。
それでは、電話とメールについて、長所と短所を見ていきます。
電話の長所 ・・・ 話した方が早いことが少なくない。急ぎの依頼に適する。
電話の短所 ・・・ 「言った言わない」になりがち。呼び出し音がうるさく仕事の邪魔になる。仕事が中断して集中力が切れる。代表電話の取次ぎが時間のロスになる。情報漏洩の原因になる。
メールの長所 ・・・ 証拠が残る。情報漏洩になりにくい。相手の仕事の邪魔にならない。読みたいときに読める。着信しても大きな音はならず仕事に集中できる。
メールの短所 ・・・ 作成に時間がかかる。急ぎの依頼に適さない。
挙げてみますと、電話よりメールの方が長所は多いのではないでしょうか? 特に吃音者は「話す」ことにばかり気を向けがちですが、文章力を向上させてテキストベースのコミュニケーションを心がけてみるといいでしょう。
文章力を高めるには、相手の知識レベル・部署・専門分野などの相手の立場に立った文章を書いていくことが大切です。如何に相手にとって読みやすく、理解されやすいかを考えながらメールを書くようにしていけば、吃音でうまく話せなくても上手くコミュニケーションを取ることができるのではないでしょうか?(イナベシンイチ)
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