この記事は約4分で読むことができます。
吃音歴30年の筆者が、吃音から視野を広げて、生きにくい要因を克服するためにできることについて紹介していきたいと思います。
吃音以外にも、自分が思うように生きられない要因はたくさんある
例えばキャリアであれば、一昔前までの女性は結婚からの寿退職が主流だったと思います。
この流れに乗らずに会社にいると「お局さん」と言われたりしました。
このころの女性は、キャリアを積みたくても文化が邪魔していたという現実があったのだと思います。
ところが今では、寿退職という言葉は薄くなりました。
結婚や出産をしても、バリバリ働いてキャリアを築いていける世の中になりました。
しかし、配偶者の転勤、子育て、病気、介護など、キャリアを阻害する要因は他にもあります。
これ以外にも、自分が思うように生きられない要因は、この社会にはたくさんあります。
ひとりひとりが生きやすい社会にするためには、どのような変化が必要なのでしょうか。
時代の変化の本質は?
先ほどの例だけを見ると「時代の変化」と思うかもしれません。
しかし、その変化の中には戦ってきた人たちがいます。
時代のスタンダードに立ち向かい、会社や周りの人から耳の痛いことも言われながらも、 社会に認められるように活動してきた経緯があります。
そのため、時代の変化は「時代を変えようとしてきた人たちの力」というのが本質だと思います。
吃音があっても生きやすい社会に
吃音を持っている人も、生きづらさを感じています。
それは吃音を持っていると生きづらい社会だからでしょう。
それなら、社会を変化させるために自分が動き始めるということが重要だと考えています。
女性のキャリアについて、社会や人々の考え方を変化させるために戦ってきた人たちのように。
これまでも、これからも吃音があっても生きやすい社会にするためには、社会の理解が必要不可欠です。
吃音を持つ人達だけが、そのような社会の理解を必要としている訳ではありません。
他にも生きにくいハンデを持った人たちが沢山存在しています。
だからこそ、多様性を受け入れる社会が今後重要になっていきますし、 社会に属している私たちひとりひとりが少しずつ変化を起こしていくことが大切なのだと思います。
画一的な働き方しかできないような会社や、画一的な考え方しかできない社会はやがて衰退していくでしょう。
実現の方法は人それぞれ
生きやすくなるためには、自分から踏み出す勇気も必要だと思います。
それも、自分にフィットした方法で行うことが大切です。
ちなみに、私の場合は思い切って個人事業主として開業してフリーランスになりました。
ここで個人的な目標を紹介したいと思います。 ちょっとよくばりかもしれないですが、4つの目標があります。
【やりたいこと】
①育児以外でも自分の人生を充実させたい
②人の役に立ちたい
③家族の転勤にストレスを感じたくない
④自分が社会に貢献している姿を子供に見せたい
「吃音でも生きやすい社会」にするためには、 やりたいことや目標のために自分が変わってみることが大切になってきます。
人に変化を求めるだけではなく、自分も変化をすることで、 結果として自分を取り巻く環境・社会も変わっていくと考えるからです。
さらに、目標があることによって実現するための努力に意識が向きます。
結果として「吃音がある個人」から見える景色は「吃音で悩むことがメインではない社会」や「吃音という悩みが小さくなっている社会」 になっていくでしょう。
また、目標を設定することで実現するために吃音というハンデを通過点として捉えることができます。
やりたいことや大きな目標があれば、吃音の悩みが相対的に小さな悩みになっていくと思うからです。
また、私は自分が変わったことでNPO法人日本吃音協会(SCW)の活動にも携わることができています。
吃音を社会に認知・理解してもらうための活動ができていることを誇りに思いますし、今後も前向きな変化を続けていきたいと考えています。
人それぞれ悩みの大きさは違うかもしれませんが、 この記事が今悩んでいる人にとって少しでも参考になれば嬉しいです。
この記事へのコメントはありません。