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私は吃音歴30年の当事者です。ものごころついた頃には既に症状があったので、もはや吃音とはお友達です(^^) そんな私が、人生で吃音がきつかったベスト3を紹介したいと思います。吃音当事者は共感してくれるかもしれません。 吃音でない方は「吃音者はどういうところに生きづらさを感じているか?」について少しでも理解をしていただくきっかけになれば嬉しいです。もちろん個人差がありますので、いち意見として捉えていただければと思います。
きつかったこと第3位:就活
きつかったこと第3位は就職活動です。特に集団面接がとても苦手でした。
形式ばった雰囲気で、他の学生がスラスラ自己紹介や志望動機を話す中、自分は名前さえも吃ってしまうような状況でした。
面接が終わった後に、何回落ち込んだことか分かりません。
結局はやりたいことを実現できて、自分の強みを理解してくれた企業とマッチできたのでよかったのですが、思い出したくはないですね!笑
きつかったこと第2位 :呼び込み
きつかったこと第2位はアルバイト先での呼び込みでした。
学生時代のアルバイトで、店頭で呼び込みをしなければいけない仕事に苦手意識がありました。
言いやすい商品名ならよいのですが、言いにくい商品名だと辛かったです。
呼び込みをしている時は大声を出さないといけません。その時に吃ってしまい人に聞かれたら恥ずかしいという感覚が学生時代にはありました。
しかし、そのまま苦手なことで落ち込んでいるだけではつまらないと思い、当時は他の業務に力を注ぎました。
裏方の専門職のような業務スキルを徹底的に磨き、社員もいる中でアルバイトという立場ながらチームリーダーに抜擢されました。
呼び込みなどの接客は最小限に抑えられるように、自分の強みを活かせる専門業務で活躍できるようになろうと努力した結果でした。
きつかったこと第1位:アルバイトや会社での電話対応
きつかったこと第1位はアルバイトや会社での電話対応でした。
これは一番嫌だった記憶があります。
吃音でない方の「電話対応が嫌」とはちょっと違います。
電話に出るときに単語が出てこず「吃る」ということは、頑張っても完全には排除できないのです。
例えば、アルバイト先で忙しくしている時にいきなり電話が鳴った時、職場が「しーん」となっている中でテンプレートの「お電話ありがとうございます。〇〇〇でございます。」を言おうとしても、最初の「お」が出ないのです。
社会人になっても、静かなオフィスのデスクで電話がいきなり鳴ると「お電話ありがとうございます。」が出てこないことがありました。
自分としても、電話にテンプレートの文章を貼ってそれを読みながら対応してみたり、 少し言い回しを変えてみたり、発音を言いやすいように変えてみたり、いろいろやってみました。
しかし、どうしても他の人たちのようにスラスラ言うことができませんでした。
スマートに対応している同期を横目で見ては、いつも羨ましいと思っていました。
自分の力でどうにかなることを伸ばして、充実した生活を送れるように!
電話対応に悩んでいる時にふと思いました。
いくら羨ましいと思っていても、できないものはできないので、これはどうしようもないということです。
悩むのは時間の無駄かもしれない、とすっぱり考え方を切り替えました。
なぜなら、治らないからです。笑
そのため、自分の力でどうにかなったり、伸ばせたりすることで会社や顧客に貢献できるように思考し、挑戦する方向にシフトしました。
結果、今は巡り巡って仕事でもプライベートでも充実した生活を送れています。
仕事は、場所に縛られないフリーランスとして活躍できています。
そのおかげで転勤族の夫にもストレスなく同行でき、2人の息子の子育てもしやすい状況だと思います。
自分を受け入れることで、その先に変わり出した自分がいたのだと思います。
もちろん周りの環境にも恵まれて、感謝しかありません。
1つの変えられないことに悩む時間があるなら、伸ばせる実力を少しづつ鍛えることをおススメしたいと私は思います。
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