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吃音がある人の中には、人前で話すことに不安やストレスを感じる人も少なくないのではないでしょうか?吃音当事者のKayさんも上手く話せず、やるせなさを感じることがあったと言います。
今回は、Kayさんが吃音を気にせず話すことができるようになった体験談を掲載します。
「なんで自分だけ流暢に話せないんだろう…」話し方を気にしてしまう日々。
小学生の頃から、人前で発表したり、発言をしたりした後に、無力感やストレスを感じることが多々ありました。
「周りの友達はスラスラと流暢に発表しているのに、どうして自分だけど吃ってしまうんだろう?」と発表の内容には意識がいかず、ただ話し方を気にしてしまう自分がいました。
自分が発表した後に、友達だけでなく先生も気まずそうにしているのをみて恥ずかしく、申し訳ない気持ちもありました。
とある先生には「そろそろ流暢に話せるようになったか?」としつこく聞かれたり、吃って言葉が出ない時に発言を急かされたりすることもあり、「自分は普通ではないんだな」と考えるようになっていました。
そのせいもあり、発表をした後に恥ずかしさ、やるせなさを引きずってしまい、自分に自信を持てない日々が続きました。
教授のある一言で、話し方より話す内容に意識を向けることができた。
その意識が変わったのが、大学のゼミナールでの出来事です。私が所属していたゼミでは、毎週1人ずつ、専攻するテーマについて発表するという活動をしていました。
初めて発表の出番が回ってきた日も、予想通り吃ってしまいました。いつも通り落ち込んでいると、ゼミの教授は発表の内容について、いくつか質問をしてくださいました。
自分は流暢に話すことに意識がいってしまっていて、その質問に答えることができませんでした。
教授には「考え方が甘い」と指摘され、そこで初めて話し方よりもその内容に注目されているということに気づきました。
そこから流暢に話すことよりも、教授の鋭い質問に答えられるように意識を向けることにしました。すると、吃ってしまうことは変わらないものの、発表後の気持ちが無力感よりも達成感のようなものに変わっていきました。
話す内容に意識を向けることで、無力感が和らいだ。
就職活動の面接でうまく話せずに悩んでいる時も、教授には「君は優秀なのだから、たとえ時間がかかっても自分の考えを伝えられればそれで十分だ」と言っていただき、とても自信になりました。
この経験から、話し方よりも、「自分の考えを相手はどう思うか?」ということに意識を向けることで、無力感が和らぐことがわかりました。
それ以降、電話をするときも「吃っても、相手にきちんと伝わればいいんだ」と考えることで、発話の際のストレスをなるべく減らすようにしています。
もし笑われたりした時も、「人の欠点にしか目がいかない人なんだな…」などと割り切ることで、あまり思い詰めないように気をつけています。(なかなか難しいですが‥.)(Kay)
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