この記事は約4分で読むことができます。
「吃音 英語」と検索すると、英語が話せるようになると、吃音当事者は吃音の症状が出ない、吃音者は日本語だから、吃るなどの主張・意見が散見されます。
本記事では、吃音当事者兼自塾で英語の指導をメインにしている、私が 【実体験と周りの人の体験で考察】吃音者は英語を話すときも吃るのか? というテーマで記事を執筆しました。
本記事は僕自身の体験、語学が堪能な他の吃音当事者の方の体験をまとめたものになります。
日本語でも英語でも吃音症の症状は出る?
まず、結論ファーストでいきますと英語・日本語関係なく、吃音の症状は出ます。
「せっかく、英語を勉強して吃音を改善しようと思ったのに…」と思ったそこのあなた。続きがありますので、最後まで読んでくださいね。
吃音症は言葉を円滑に操れない発話障害ですので、使用する言語によって症状の重さは違いますが、吃音の症状は出ます。
ただ、症状のレベルが使用言語によって全く異なります。僕の場合は、 日本語よりも英語を話す方が吃音症の症状は少ないです。
もしかすると、英語は外国語だから完璧に話さなくていいという安心感があるのかもしれません。また、英語を話すと少し性格が変わったり(少しテンションが高くなるなど) 、子音を発話しないせいかもしれません。 (日本語の場合は母音と子音がワンセットで発話されまずが、英語の場合はそうではありません。)
このような理由で、吃音の症状が減るのでは?と個人的に推測しています。数名の吃音当事者に、英語を教えたこともありますが、やはり日本語・英語にかかわらず吃音の症状は出ていました。
日本語を話さなくなったら、日本語での吃音の症状が強くなった?
学生の頃、大学4年生を1年間休学して、フィリピン、トルコ、ポーランドに研究留学に行きました。
トルコとポーランドは日本人が全くいない環境でしたので、あまり日本語を話す機会がありませんでした。YouTubeを観て日本語を聞いてはいましたが、約1年間日本語をほとんど話すことなく生活していました。
日本に帰国後、真っ先に気づいたのは、日本語を話すときの吃症状が留学前より強くなったということです。吃音ってこんなに出ていたったけ?と正直困惑してしまいました。
それが、少しショックだったのか、帰国後数ヶ月は吃音で不安な毎日を送っていました。ただ、いつの間にか吃音症の不安も減り、症状も軽減していきました。
中国語でも吃音症は出るのか?【知り合いの体験】
実は先日、中国語の翻訳をしている吃音当事者の方とお話をする機会がありました。彼は、台湾、アメリカ、オーストラリアに語学留学・ワーキングホリデーで数年間滞在している経験があるため、日本語・英語・中国語のトリリンガルです。
私自身は英語、彼は英語と中国語を話しますので、共通の話題は『語学』。中国語でも、吃音の症状が出るのか気になりましたので聞いてみました。
中国語の学習を始めたばかりの頃は、あまり吃音の症状が出ていなかったようですが、中国がどんどん上達するにつれ、吃音の症状は強くなっていったとのことです。
ただ、日本語よりも英語や中国語の方が話しやすいと彼自身も言ってましたので、母国語の方が吃症状が強くなるのは事実のようです。
吃音だったけれど言語を学んでよかったこと
英語や中国語を学んで、吃音症が治ればと思っている吃音当事者も少なくはないでしょう。ただ、私は英語を学ぶことができて、英語に熱中することができて非常に幸運だったと感じます。
もちろん、自信がついて自己肯定感が高まったり、海外にたくさん友達ができたり、英語で不安になることはなかったりするメリットもありますが、 言葉を学ぶことを通して伝えることをよく考えました。
伝えることを考え続けた経験が、吃ることについて不安にならない価値観の形成に一役を買っていると考えると、改めて英語を勉強してよかったなと思います。
吃音症に対しての価値観が変わる時期やきっかけは人それぞれですが、行動をし続ければ吃音症は辛いという価値観が変化し始めるはずです。
諦めずに行動してみましょう。 ここまでお読みいただきありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。