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吃音を抱えていると仕事や学校生活にさまざまな悩みが生じます。その中でも人前での発表は吃音当事者にとって最も大変なことの1つです。この記事は吃音当事者のよっし〜さんが経験した体験談を掲載しています。
吃音で人前での発表が辛い日々。高校2年生で訪れた転機。
僕の吃音症での悩みのひとつは「人前での発表」だった。吃音症の人間のほぼ全ては症状が出てしまった時の他人の反応に敏感で、それを恐れている。
僕もその1人で、幼少期から発表や教科書の文を音読していくことが何より苦手で、嫌いで、強いトラウマだった。そんな僕に少し自信を持つきっかけとなる、いわゆる転機が来たのは高校2年生の時のことだった。
突然人前で発表することに。
高校2年生の7月、生物部に所属していた僕は文化祭での部活発表のためパソコンで資料となるスライドを作っていた。
僕は資料を作ることが得意で、好きだった。そのため今回の資料も何の苦もなく作成できたが、発表することは大嫌いだった。
その時の僕は、発表は誰かがやってくれるだろう、自分はこのスライドの操作をしていればいいのだと思っていた。思えばあの時、発表者をあらかじめ決めておけばよかったと後悔している。
文化祭当日、他のイベントは滞りなく進んで行った。しかし、スライドを用いた発表の時に僕以外の部員に発表を拒否されてしまった。
その時、僕は過去のトラウマがあったが一か八か発表をやってみることにした。資料作成者は僕だし、結局は僕がやるべきだった。
吃音があっても人前で話すことができた。挑戦の先にあった新たな気づき。
イベントの説明やクイズの出題など結構作り込んだ資料を発表していった。相当不安だったが、思ったよりスムーズに出来た。ほとんどつっかえず、嫌な間も空かずに喋ることができたのだ。発表を見ていた他の部員にも凄かったと言われた。
その時あることに気づいた。僕は発表が苦手なのではなく、決められた文を読み上げるのが苦手だったのだ。
アドリブで喋れば苦手な言葉も言い換えが出来るし、自分のペースで喋れる。この気づきは僕にとって大きいものだった。
この経験をしてから、グループディスカッションなど、話し合うことになんの抵抗も無くなった。まだ決められた文の読み上げは苦手なままだが、アドリブで話すことに自信が持てた。あの時、発表をやめずに頑張ってよかったと思う。(よっし〜)
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