自分の強みを見失った時に出会った不思議な授業 - HAPPY FOX

自分の強みを見失った時に出会った不思議な授業

  1. 吃音の体験談
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吃音はいまだに理解や認知が不足しており、いわれのない偏見が原因で子供の頃から自信を失ってしまう人が少なくありません。自信を失ってしまうと、自分の良さや強みを見つけたり、発揮したりすることが難しくなります。今回は私が自分の強みを見つけるきっかけになった不思議な授業についてお話します。

吃音を気にするあまり自分の強みに気づけなかった子供時代

吃音を気にするあまり自分の強みに気づけなかった子供時代
写真はイメージです。

私はかつて、吃音が原因で自信を失っていた子供でした。私は言い換えを器用にできる方ではなかったので、言い換える言葉を探す間、独特の「間」ができました。 その「間」が思春期の私には恥ずかしく大変辛いものでした。

そのため学校で自分の長所・強みは何かという作文の課題が出ても、その場の思いつきで適当なことを書くだけで、その作文に書いてある長所や強みは自分とかけ離れている内容に思えました。吃音で生じる「間」のことが常に頭にこびりつき、自分の強みが何なのか全く考えることができませんでした

吃音の独特の「間」が私の強みだった

吃音の独特の「間」が私の強みだった
写真はイメージです。

中学2年生のある日、私の人生を変える出来事が起こりました。担任の先生が授業中に突然「クラスで一番の人」を決めましょうと言いました。

「クラスで一番運動ができる人」「クラスで一番おもしろい人」等、皆でお題に対して指名していくゲームのようなものです。私は目立つ生徒ではなく、また吃音があって普段無口だったので、自分が選ばれるとは思いもしませんでした。

私の予想に反して、「クラスで一番信頼できる人」になんと私が選ばれました。驚いて理由を聞くと、私の独特の「間」がよく考えて言葉を選んでいると見られて、信頼ができるということでした。

今まで言い換えによる「間」を空けまい、と急いで話していたのですが「間」が意外にも好評だったので、それから私は良く考えて言葉を選べる信頼できる人と胸をはれるようになりました。

この授業がきっかけで、私は今まで短所だと思い込んでいた「間」が少しずつ好きになっていきました。辛い状況に置かれて自分の強みを見失った時は人に聞いてみると意外な答えが出てくるかもしれません。

arisa

2歳の頃に吃音を発症した当事者です。
吃音を持つ当事者とご家族が生きやすい社会を目指して、日々吃音の啓発活動に取り組んでいます。HAPPY FOXでは、吃音者として生活してきた経験から、少しでも楽に過ごせる方法をご紹介していきます。

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