この記事では、私が大学生の時に経験したことについてお話します。
大学生の時、私がどのようなことを考えていたのか、そしてもし今振り返ると、大学生の時にこうしていたら、就職してからももっと活躍できたのではないかと思えることを紹介しています。
大学生の時間は、高校生までの時間と違い、自分の時間をどのように使うか比較的自由に設計できます。そのため、自分の使い方によっては、大学生活を十分に生かすことができない人もいる一方で、上手に時間を使うことによって、就職活動や社会人になってからも、自分の弱点を強みに変えて活躍することができるはずです。
今大学生の方やこれから大学生になる方に、この記事を読んで、自分の大学生活をより有意義に過ごすためのヒントとなれば幸いです。
吃音のある私の大学での体験
吃音を隠していた大学生の僕は友達作りにはそれほど苦労しませんでした。
高校生の時のように地元の中学校や部活などを伝える必要もなく、大学生は名前と地元を言えばお互いが相手のことを知ったつもりになるのです。地元といっても、〇〇市や〇〇区と言えば大方伝わります。
入学当初は情報量が少なくても、時間が経つにつれ、緊張も和らぎ吃らずに会話したり質問したりすることができてすぐに友達もできました。必然的に仲の良い友達は一緒にいる時間が増えますし、お互いのことをより深く知り合えます。
吃音を意識せずに大学生活を送れた
吃音者でも友達はできますし、学校生活も楽しく過ごすこともできます。友達と海にも行けますし、バーベキューもできます。やることは非吃音者と変わりません。そんなこともあって大学生は中学、高校のときより吃音を重要視していませんでした。
しかし、吃音のことは隠し通していました。当時は気付いてないだけで、今思えば隠し通すことに一生懸命になっていたのかも知れません。
吃音を隠していたものの友達といるときは、吃音の事を忘れていて楽しい時間にだけフォーカスできていて幸せな時間を過ごしていました。友達といると吃りにくかったため、吃音のことを忘れられていたのだと思います。
言いたいことも言え吃ったらどうしようなど考えずに言葉が溢れるように出ていました。そんなこともあって大学生は中学、高校のときより吃音を重要視していませんでした。
吃音者が行うプレゼンテーション
講義の方では、40人くらいいる法律のクラスで各自3~4名のグループを作り、それぞれのテーマに合わせてプレゼンテーションをするという内容でした。
僕が担当したテーマは、平成11年選挙無効請求事件で知られる「小選挙区比例代表並立制の合憲性」についてと憲法21条の検閲及び事前抑制による自由の侵害したとされる「北方ジャーナル事件」と国家公務員法違反被告事件で有名な「堀松訴訟」についてのこれら3つもリサーチして発表するという事でした。
テーマは全て興味深いものだったので、リサーチは楽しくできました。
吃音者ならあるあるで分かる人が多いと思いますが、言いづらい単語や言葉を言い換えますよね。
資料での工夫に意識をした
しかし、今回のプレゼンの最難関ポイント事件名や事件番号や判決などは言い換えれないということです。ここで僕はプレゼン資料に必要事項をスクリーンに映しそれに沿って話せば大丈夫だと思いプレゼン資料を作りました。
3週にわたって1週間に一つずつ発表していく形式でその時間の発表前だけ緊張していてそれ以外は全く吃音のことを考えていませんでした。
むしろ、吃ったらどうしようよりもどうみんな伝えれば分かりやすいだろうという方に集中していました。なので3週にわたって吃らず終えることができました。
吃音は意識しすぎると更に吃るのではと思います。しかし、意識してしまうのが吃音者の性です。これは吃音者にしか分かりません。
吃音のことは意識しない、気にしないように自分に言い聞かせても、発言する場面の順番になるにつれて意識は吃音に向くと思います。
最近では、吃っても言いたいことが伝わっているからそれでよし。という思考に変わりました。少しずつではありますが吃音に対しても気持ちの変化が良い方向に向かっている気がします。
就職活動はやはり不安だった
大学生で吃音を重く見始めたのは3回生になって就職活動の時期に入った時です。
周りの友達も就職活動を始めインターンや説明会などに行っていました。吃音のある僕が就職して働けるのかと不安と焦りの気持ちがあり毎日が生き地獄のようでした。
しかし、将来やりたいことが見つかりそのやりたいことに向かって半年間勉強や面接練習をして努力した結果、内定を頂くことができました。内定を頂いた時は、正直すごく嬉しかったです。
内定通知をみた瞬間、今まで背負っていた肩の重荷が一瞬で軽くなりました。決して簡単な道のりではなかったですが、吃音があっても何事も諦めず努力し続ける大切さを実感しました。
吃音者の大学生がしておくべきポイント
私が大学生だった時にしておいて良かったこと、および大学生活においてしておけばよかったことについて触れたいと思います。今、大学生の方やまたこれから大学生になる方には、この情報を知ってもらうことで、大学生活をより充実させることができるかもしれません。
- 吃音の正しい知識をもつこと
- 吃音に理解してくれる環境づくり
- 自分なりの吃音の克服方法をみつける
- 吃音に対する認識を向上させる
吃音の正しい知識をもつこと
吃音について正しい知識を持つことが重要です。吃音は、流暢に話すことが難しい言語障害の一種です。吃音は、専門家の治療や訓練によって改善することができますが、自然に治ることはあまりありません。吃音は、知能や性格とは関係がなく、誰にでも起こりうる現象です。自分の吃音を恥じる必要はありません。実際、多くの有名人が吃音を抱えており、その中には、俳優や政治家などが含まれています。しかし、吃音を無視することは良くありません。吃音について学び、自分の状況を把握することが大切です。また、吃音を抱える人々が受ける差別や偏見についても理解する必要があります。吃音は、社会的な支援と理解を受けることで、より良い生活を送ることが可能です。
吃音に理解してくれる環境づくり
吃音についての理解を深めることが大切です。大学生活では、様々な人と関わる機会がありますが、中には吃音に対して偏見や無理解を持つ人もいます。そうした人たちに対しては、無理に接する必要はありませんが、吃音についての理解を深めることで、お互いに良好な関係を築くことができます。
吃音についての理解を深めるためには、吃音に関する情報を収集することが大切です。例えば、吃音についての本やウェブサイトを探して読んでみることができます。また、吃音に関する問題を抱える人たちが集まるイベントやグループに参加することもできます。そうした場で、自分の経験を共有したり、吃音に関する情報を交換したりすることで、より多くのことを学ぶことができます。
さらに、吃音に関する問題を抱える人たちとのコミュニケーションを積極的に取ることも大切です。友人や先生、カウンセラーなど、信頼できる人に相談したり、吃音のサポートグループに参加したりすることで、自分自身の心のケアをすることができます。また、吃音に関する問題を抱える人たちとのコミュニケーションを通じて、お互いに支え合い、共感し合うことができます。
自分なりの吃音の克服方法をみつける
吃音に対応する方法を身につけることは、大学生にとって非常に重要なスキルです。大学では発表やディスカッションなど、話す場面が多くあります。吃音のある学生は、そうした場面で緊張や不安を感じるかもしれませんが、事前に準備や練習をすることで自信を持つことができます。
さらに、吃音に対応する方法は多岐にわたります。例えば、話すスピードやリズムを調整することで、吃音の程度を軽減することができます。また、呼吸法やリラクゼーション法を用いることで、吃音によるストレスを軽減することもできます。他にも、話し方のトレーニングや専門家のアドバイスを受けることも有効です。
自分に合った方法を見つけて試してみることで、吃音に対応するスキルをより高めることができます。これにより、大学での発表やディスカッションで自信を持って話すことができるようになり、将来のキャリアにも大きな影響を与えることができます。
吃音に対する認識を向上させる
大学生がしておくべきことは他にもありますが、自分自身の詰問に対してどのような考えを持つかも重要です。
個人の結論は人それぞれです。自分には吃音があるため、長所をポジティブに捉える人もいれば、吃音があるために自分の考えがうまく進まないとネガティブに考える人もいます。
しかし、自分の吃音に対してポジティブなイメージを持つ人が、ネガティブな考えを持つ人よりも価値観を持ち、辛抱強く物事を進めることができると思われます。
ただし、自分の吃音に対する認識は過去の経験に基づいて形成されるため、瞬間的に考えが切り替わることはありません。
そのため、小さな成功体験を積み重ねたり、自分の吃音を理解してくれる人たちとの環境を作ることによって、自分自身の評価や認識を少しずつ改善し、自分が活躍できる状態にする必要があるでしょう。
就職活動への準備やバイトの選び方
大学に入ると、就職活動をする必要があります。吃音が関わっているため、この活動はなかなかハードルが高いです。たとえ短期間であっても、会社の自分自身の印象によって、採用や不採用が決まってしまうため、難しいものです。
初対面や緊張する場面では、人によっては自分の吃音がひどく出てしまうことがあります。そのため、就職活動が始まる前に、大学生活の中で、自分自身がどのようなことに気をつけなければならないかを意識しておくことが大切です。
吃音のある大学生で就職活動のために準備すべきことは、自分の強みや興味を明確にすること、吃音に対する自信や受け入れを高めること、面接やプレゼンテーションなどのコミュニケーションスキルを磨くことなどがあります。
吃音が受け入れ合った企業を検討する
最初に、自分の強みや興味を明確にすることは、自分に合った職種や企業を見つけるために重要です。
就職活動を始めてから自分に合った企業を見つけることはなかなか難しいことがあります。そのため、大学生の時から自分自身の興味のある企業や自分の強みが活かせる企業を探しておくことが大切です。
自分の得意なことや好きなことを知っておくと、自己紹介や志望動機などの質問にも答えやすくなります。
吃音があっても活躍できる職種や業界を探すことも検討しないといけません。例えば、ITやエンジニアリングなどの技術系の仕事では、コミュニケーションよりも専門知識やスキルが重視されます。
また、ライティングやデザインなどのクリエイティブな仕事では、自分の表現力やセンスが評価されます。このような職種や業界では、吃音はあまり問題にならないかもしれません。
逆に、営業や教育などの人と話すことが多い仕事では、吃音がハンディキャップになる可能性があります。
仕事選びでは、一つの基準ではなく、様々な判断基準があるので、一概に触れることはできません。しかし、好きな仕事やしてみたいことというのとは別の軸で、スムーズにコミュニケーションが取れたり、ストレスなく働けるということも考えながら就職活動を考える必要があります。
自分の強みをつくる
さらに、自分の強みを作ることも必要です。
たとえば、就職活動では、人事担当者と直接コミュニケーションをする機会はあまりないため、自分のことをアピールすることが難しい場合があります。吃音のある人にとっては、さらに難しいことがあるでしょう。しかし、コミュニケーション以外でも、自分の強みを発揮できるようにすることができます。
例えば、資格の取得やスキル習得などがあります。英語やコンピューターなどの基本的なスキルはどんな仕事でも必要ですし、専門的な資格や賞などは自分の実力を証明することができます。
大学生活を送る人は、将来のために資格の取得やスキルの習得を実践することができます。吃音がある場合、就職活動に対して不安を感じることも多いかもしれませんが、早くから行動することができ、それが結果的に自分の強みになる可能性があります。そのため、不安を強みに変えるために、積極的に行動することが大切です。
バイトで強みづくりをする
大学生になると、多くの人がアルバイトを始めることがあります。アルバイトを選ぶ際には、どのような基準で選ぶかを考える必要があります。
ほとんどの人は、時給が高い場所や条件が良い場所を選ぶ傾向があります。しかしながら、自分の将来の就職活動や親、将来を見据えて考える必要があります。アルバイトを通じて、自分のスキルを磨いたり、強みを作り上げたりすることは、長期的に見たときに非常に合理的な方法です。
そのため、条件面だけでなく、先を見据えて自分に必要な経験やスキルを身につけることを考えてアルバイトを選びましょう。また、アルバイトを通じてどのような成長をしたいのかも考えてみましょう。
まとめ
この記事では、吃音を抱える大学生が自分自身を受け入れ、活躍できる状態になるために必要なことについて解説しています。
まず、吃音に対する正しい知識を持ち、自分の状況を把握することが重要です。また、吃音に理解してくれる環境を作り、自分なりの克服方法を見つけることも大切です。
さらに、自分自身の評価や認識を少しずつ改善し、自分が活躍できる状態にすることが必要です。就職活動に向けては、自分自身の強みを明確にし、アルバイトを通じてスキルを磨くことも重要です。
吃音があるからといって、自分自身を卑下する必要はありません。吃音にかかわらず、自分自身を受け入れ、将来に向けて着実に歩んでいきましょう。
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